どうも、ショックマンです。
今回は解体シリーズ第2弾ということで、建物の解体工法2トップ「地上解体」と「階上解体」について、つたない文に簡単な絵を添えて説明していきたいと思います。
すべて一例なので参考程度に捉えてくださいませ。
それではさっそく参りましょう。
[地上解体]
地上解体というのは読んで字の如くなのですが、その現場に適したサイズの重機を使って地上で解体をしていきます。
大まかな流れはまず中抜きといって、養生足場が組まれている面の壁を残すように壊していきます。
残した壁を倒したら養生足場を撤去する、という手順で解体を進めていきます。
中抜きの食い方は人それぞれなんですが、重要なのが壁の残し方です。
例えばRC造5階建ての建物を壊すとして、いくら壁だけ残すと言っても1階~5階まで全部壁だけにしてしまうと、RCと言えど頑丈さは激減してしまいます。
その状態で壁倒しを進めていくと、1フロアずつ倒すつもりが下の階まで芋づる式に壁が倒れていったり、予期せぬとこで柱が折れる可能性があります。
そうなるかならないかは別として、とても怖すぎてそんな状態にはできないです僕は。
なので下の階は強度を保たせておきます。
建物によって柱の強度は違うので、脆い所は本当に脆いです。
ここで確実に倒せる、と書いてありますが、思い返してみるとそんなことない建物も実際にありました。
そうは言っても壁を倒すときは、柱の折れ点にしたい部分を少しぐらつく程噛んで弱くしますので、余程のことがない限りは意図したところで折ることができます。
この後壁倒しをするのですが、壁倒しをする上で一番やってはいけないことはシンプルに、壁が外側に倒れてしまうこと。
養生足場が壊れるだけならいいのですが、もしそこに隣家があったらもう目も当てられません。
そんなことがないように、建物の内側に荷重がかかるように梁を少し残しておきます。
こうして準備が整ったら壁倒しをしていくのですが、先ほど述べたように壁倒しはとにかく内側に内側に。
この状態で倒すとどうなると思いますか?
赤丸の所を噛んで弱くして折れ点にしています。
この状態で倒すとこうなるんです。
外に向かって倒れるため、足場に接触してしまいます。
この押し出された足場のすぐ隣に建物があると壁を傷付けてしまうわけです。
実際に隣の建物の壁に穴が空いた事例が過去にありました。
大事なのは柱を噛む高さを調整して、足場から遠ざかるように角度をつけることです。
折り紙をイメージするとわかりやすいです。
この赤丸のところが内側にくるように倒していきます。
こうして何事もなく壁を倒したら足場を解体して、これを繰り返して1階まで壊してしまえば上屋の解体が完了です。
[階上解体]
階上解体は市街地などのビルで敷地いっぱいに建物があり、大型の重機を使うスペースがない場合や、大型の重機を使うスペースがあっても最上部まで届かない場合に行われます。
SRC造6階建のビルを解体する例として簡単に説明しますと、まず屋上の床に人力もしくは重機で穴を空けます。
重機はもちろんクレーンで吊り上げます。
次に必要なサイズの重機を必要な数だけ同じくクレーンで吊り上げて、屋上に空けた穴を通って6階に降ろします。
その状態から6階を壊していくとコンクリートガラがたくさん集まります。
思っている以上にたくさん集まります。
ちなみに、こんな薄っぺらい床に重機なんか乗っけて大丈夫なの?と思うかもしれませんが、本来は床下に梁が渡っていて、頭のいい人が耐荷重を計算した上で乗せているので大丈夫です。
わかりやすくするためにいろいろ割愛して描いていますのでご了承ください。
話を戻します。
ある程度集まったところで床に穴を空けてそこにガラを落とします。
5階にガラが積もっていき最終的には6階の床に空けた穴が塞がります。
そしたら次は塞がった穴を広げていきます。
そうするとあら不思議、下の階に降りられそうではありませんか。
少し緩やかにして整えたら5階に降りていきます。
5階に降りたら床に小さく穴を空けて、スロープに使ったガラを4階に落として穴を埋めます。
余ったガラをエレベーターや、あらかじめ空けてある1階まで通じている廃材落下用の穴に落として片付けます。
スッキリしたところで4階を壊していきます。
というのを繰り返してどんどん下に降りながら解体を進めていきます。
大型重機による地上解体ができるようになれば階上解体完了です。
以上、2つの解体工法について解説してみましたがいかがでしたか?
興味ある人は少数だと思いますが、調べてみると意外と目から鱗なところもあったのではないでしょうか?
へーそうなんだー程度でも思っていただけたら嬉しいです。
ちなみにすごくどうでもいいことなんですけど、親しみを込めてクレヨン調で絵を描いてみました。
気になることがありましたらお気軽にコメントください。
それでは次回もよろしくお願いします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。