どうも、ショックマンです。
今日は解体シリーズ第3弾ということで、解体工事ではこんな風にして近隣の方に配慮してますよ、というのを書いていきたいと思います。
みなさん解体工事と聞いてどんなことが思い浮かびますか?
うるさい、ホコリがすごい、汚い、迫力がある、バカでもできそう。
だいたいこんな感じじゃないですかね?
概ねその通りです。
その通りだからこそ我々解体業者は様々な近隣対策を行っています。
この中からみなさんが気にするべき、気になることのクレーム三大要素として騒音、振動、粉塵について我々解体業者がどの様な対策をとっているか説明していきます。
それではよろしくお願いします。
その1 騒音対策
三大要素の中でも近隣の方が一番影響を受けやすいのは騒音です。
「うるさい」というのは何をしている時でもかなりのストレスを感じますよね。
テレビを見たり会話をしているとき、小さい子供が昼寝をしているとき、犬を飼っている家庭なんかは騒音によって犬が吠えまくるという二次災害まで起きてしまいます。
このようなことを少しでも減らすために行っていること、まずは防音素材で建物、敷地全体を囲うことです。
足場を組んでそこにパネルやシートを張っていきます。
これらは騒音だけでなく粉塵が周囲に飛散するのを防ぐ役割もあり、有るのと無いのでは歴然の差があります。
工法上仕方なく一面は張れないことが多いのですが、そういった場合のほとんどが道路面になります。
その方角の家は近くても道路を挟んで建っていますので、この距離とその道路を通行する車の走行音で少しでも工事の音が誤魔化されるのを願うばかりです。
これは工期を短縮するため、つまり工事音が発生する時間を少しでも減らすためでもあるので、そこは大目に見てもらうしかないというのが現状です。
また、電源を確保するために大型の発電機を使うことがよくあるのですがその場合、できるだけ民家から遠ざけて置いたり、発電機そのものを防音シートやパネルで囲ったりもします。
重機を使って作業する時には数種類のアタッチメントを使って工事を進めていくのですが、そのアタッチメントの中でも飛び抜けてうるさいのが「ブレーカー」というものです。
これが本当にうるさくて、会話しようにもよほど離れないとクラブ状態で喋るハメになります。
ブレーカーじゃないと工事を進められない場面はよくあるので、そういった場合、市街地の現場は祝日や土曜日は使わないようにしています。
その2 振動対策
解体工事を進めていく上で一番振動が激しいのは、建物を壊している時に重量物を地面に直接落下させた時です。
基本的にはそういうことがないように工法を選択しますし、オペレーターも注意しながら操作します。
重機では支えきれない重量物を、止むを得ず落下させる場合は必ずクッションを敷きます。
クッションに何を使うかは現場によりますが、コンクリート造ならコンクリートガラを、鉄骨造なら砕石を山にしたり大型車の廃タイヤを並べたりします。
こうすることによって落下時の衝撃、振動を大幅に緩和することができます。
その他振動の要因となるのはブレーカーです。
「またこいつか」と思った方もいるかもしれませんし、我々にとっても悩みのタネでもあります。
うるさいし揺れるし、天は二物を与えるものなんですね。
こいつを使う場合の対策としては上記で述べた通りです。
あとは土や砕石などを転圧する時、重機のバケットで地面をペンペン叩いたりするんですけど、周囲の環境によっては地面を叩くことを現場のルールとして禁止することもあったりします。
ちなみに大型の重機が移動するだけで現場敷地外まで揺れることが稀にありましたが、その場合は地盤が良くない可能性があります。
鉄板を敷いて振動を和らげる、という方法もないことはないですが、そうすると今度は鉄板とキャタピラーが擦れるという鉄と鉄の激しい摩擦音が発生するので対策としては向いていません。
そうなるとこちらとしては重機を慎重に動かす以外に打つ手がなく、それはこの先アイアンマンのようなパワースーツが完成しない限り変わることはないでしょう。
ちなみに地盤が良い場所は自分の目の前を重機が歩いてもまったく揺れません。
その3 粉塵対策
粉塵が発生する要因は
「コンクリートを砕いた時」
「建物の壁を倒した時」
「現場敷地全体の埃が強風によって飛散した時」
主にこの3つになり、いずれも基本的には散水による防塵対策をとっています。
コンクリートを砕く時はシンプルに大量の水を撒くでけですが、鉄骨造の建物に関しては構造体の鉄骨の上に埃が結構積もっていまして、それをそのまま倒すと散水だけでは忍びない結果となりますので、積もった埃をある程度事前に洗い流しておきます。
それだけでもかなりの防塵になります。
敷地全体の埃はマメに散水したりとにかく現場をきれいにしておくことが大事なのですが、現場によっては砕石が敷かれていてそこを大型の工事車両が走っている場合、散水だけではとても間に合わないことが多いです。
夏場なんかは特に、濡らしてから1時間もしないうちにカラッと気持ちよく乾いています。
かと言ってあまりビシャビシャにしてしまうと今度は灰色の泥水の出来上がりです。
その状態で工事車両が通行して公道に出ると今度は道路を汚してしまうわけです。
なのでそのさじ加減が難しいところなのですが、苦情がこなければ正直そこまで神経質にはなりませんよ、というのが実態です。
以上、クレーム三大要素に対してどのような対策をしているか大まかに書いてみましたがいかがでしたでしょうか?
今後みなさんの家の近所で解体工事が行われ、騒音、振動、粉塵が生活に影響を及ぼしてどうにも我慢ならなくなった時に現場を見に行ってみてください。
もしそこで上記で書いたような近隣対策を明らかにしていなかったときに、きちんとクレームをいれることができるように付け焼き刃でいいので知識を備えておきましょう。
何もわからない状態で行くよりも100倍効果があるはずです。
次回はその辺のことについてもう少し掘り下げて書きたいと思います。
余談ですがこの間、みんな大好き某国営放送局N◯Kで「解体キングダム」という建物の解体をピックアップしている番組が放送されていました。
その時の内容が巨大焼却炉施設の解体というもので、市街地ということもあり近隣対策がすごかったんです。
もう施設丸ごと囲ってました。
壁だけじゃないですよ?
屋根まで組んで。
骨組みもしっかりしたでーっかいテントの中で解体をしているような状態でした。
あれなら音も埃も遮断できる上にかなりやりやすいと思います。
僕も全部あれでやりたいぐらいです。
か、金だ・・・金さえあれば・・・
あと工期。
ということで次回もよろしくお願いします。
質問等ありましたらお気軽にコメントください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。